モクレンはコンパス!?

3月の「科学館で紙しばい」のテーマは春の始まりだったのですが、その紙芝居の中に「コブシ」という木の話が出てきたので、少し調べてみました。すると、図鑑には私にとって驚きの一文が!「つぼみは北を向く」とあったのです。なぜ?と思い、更に調べてみました。

その理由は、「開花に向けてつぼみがふくらんでいく時に、より日差しを受ける南側が先にふくらみ、それによりつぼみの先端が北を向いてしまう」ということでした。

このように、自然の光条件下で葉やつぼみが南北の方向に出る植物を『方向指標植物』というそうです。早春の山に入る人にとってコブシは、方位磁石の代わりになってくれる木なんだとか。

確かめたい!と思い、館の花木園へ出ました。花木園にコブシはありませんが、コブシはモクレン科の植物で、モクレンも同じ特徴があるとのこと。モクレンのつぼみを観察してみました。

3月2日 観察初日。まだモクレンのつぼみは固く小さく、なんとなく北を向いているものが多いかな…くらいでしょうか。

3月28日 3月は数日おきに観察をしましたが、この日になっても状況は変わらず…でした。

4月5日 つぼみはだいぶ膨らんできました。左右対称ではなく、曲がっているものも多くみられますが、みんなきれいに北を向いているとは言えませんね…。

ということで、このコラムをアップするまでに、館のモクレンで現象をはっきりと確かめることは残念ながらできなかったのですが、フリーの写真にその様子がありました。

つぼみというよりは咲きかけですが、先が曲がっているのが分かりますよね。

館ではモクレンの木のすぐ東側に建物があり、特に春先は朝の日当たりがあまりよくないので、その影響もあるかもしれません。引き続き観察してみますので、皆さんもこの時期、良かったらモクレンのつぼみを探してみてくださいね。

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