慈しみの石

今年2月の親子かがく教室では、「磁石」を取り上げました。
その際に改めて磁石って面白い!と思ったので、ちょっとシェアしますね。

早速ですが、人工の磁石っていつからあると思いますか?
江戸時代?それとも明治時代??

実は100年前なんです。1917年(大正6年)に本田光太郎が発明した、「KS鋼」が初めての人工の磁石です(※ソースによっては1916年との記載もあり)。
人類が人工的に磁石を作れるようになってまだ100年しか経ってないなんて、驚きじゃないですか!?
しかも世界初の磁石の発明者は、日本人なんですね。

“人工の磁石”という表現をしましたが、その前はもちろん“自然の磁石”でした。自然の磁石とは、磁石の性質を持った石「磁鉄鉱」のことです。
科学館でも収蔵しているのですが(残念ながら展示はありません)
磁力の強いところはクリップがつきました。

磁鉄鉱とクリップ1磁鉄鉱とクリップ2

この磁鉄鉱、昔の中国では、“慈しむ”という字を使って、「慈石」と書かれていたそうです。
なぜなら、磁鉄鉱が釘を引き付ける様子が、お母さんが赤ちゃんを慈しんで抱く様子を想像させるから、だそうです。
無機物からそんな風に想像するなんて、素敵じゃないですか!?

と言っても、磁鉄鉱なんてどうせ珍しいものなんでしょ、と思われるかもしれません。確かにその辺にゴロっとはしていませんが、実は子どものころ遊んだアレは、元は磁鉄鉱だったんです…。
それは、砂鉄!砂鉄って、鉄が砂状になったものではないんですよ!
磁鉄鉱が砕けて砂状になったものだったんです。

磁石についてはお伝えしたいネタがたくさんで、教室でもネタの取捨選択が大変でした。
なのでまた、磁石のワークショップができたらと思っています。その際はぜひご参加くださいね。

 

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