アンモナイトの殻

先日、当館に大量の化石が届きました。4月に行われる<春の特別展関連企画>『化石発掘体験 ~恐竜時代の生物たち~』で使用します。今回はその化石の中から「アンモナイト」についてお話しします。

アンモナイトは、古生代デボン紀前期に出現し、中生代白亜紀末に絶滅するまで、約3億4,000万年間にわたり世界中の海で繁栄したイカやタコに近縁な生物です。恐竜とともに絶滅しており、今は生きている姿を見ることはできませんが、渦のようにグルグルと巻いた殻は、昔から多くの人々を魅了してきました。

4月のイベントで使用するアンモナイトは、ジュラ紀のモロッコ産です。これらをよく見ると、個体によって形に違いがあることがわかります。

例えば、AとBでは、外側の殻がすぐ内側の殻を覆う程度が異なります。相対的にその程度が強いものを密巻き(A)、弱いものを緩巻き(B)といいます。また、肋(C)やくびれ(D)、突起(E)などの装飾を殻の表面にもつものから、装飾を全くもたないものまで存在します。

様々なアンモナイト

一口にアンモナイトと言っても、それぞれ形が異なり、多種多様であることがわかりましたか?今後、科学館やイベントなどでアンモナイトを見るときは、殻の巻き方や装飾の有無にも注目してみてください。

学芸・田村