光化学スモッグの話

みなさんこんにちは。にこやかです。

7月18日の科学館日記を書くにあたり
「そういえば7月18日って,なんの日なんだろう?」と
なんとな~くインターネットで検索を行っていたら
「7月18日は光化学スモッグの日」と言う文字が…!

色々と調べてみました。

約50年前の,1970年7月18日。
東京都杉並区で光化学スモッグが発生し,屋外で活動していた学生数十名が体調不良を訴えて,救急車で運ばれた…という出来事がありました。

少し前から,各地で光化学スモッグは発生していたそうなのですが
この出来事をきっかけに,全国的に有名になったとされています。

そこで今回は,「光化学スモッグ」についてお話しようと思います。

そもそも「光化学スモッグ」とはなんなのか。
「光化学スモッグ」とは光化学オキシダントを主成分とする,もや・霞のことです。
発生すると,視界が悪くなるだけでなく,目や喉が痛くなる,といった症状が現れます。
また「光化学」という名の通り,光によって発生します。

光化学オキシダント!
…また新しい言葉が出てきましたね(_ _;)
「光化学オキシダント」とは何か…というと

空気中にある大気汚染物質が,太陽の光に含まれる紫外線によって化学反応を起こし有害な物質ができます。
この,光によってできた有害な物質のことを「光化学オキシダント」といいます。

光化学オキシダントの発生のしくみ

 

この光化学オキシダント,主要な成分は「オゾン」という気体です。
みなさん,「オゾン」という言葉…聞いたことはありませんか?
私たちが住んでいる地上から,はるか上空にあるオゾン層。
そう!あのオゾン層を作っているオゾンです。

オゾンは,地球を強い紫外線から守ってくれていますが
実は,殺菌にも使用される,生物に有害な気体なんです!
このオゾンを含む,光化学オキシダントが増えると目や喉の痛みを感じ,最悪の場合,意識不明になるなど重症化する場合もあります。

光化学オキシダントの元になる大気汚染物質は
工場・自動車等から排出される「窒素酸化物」や,「揮発性有機化合物」(例:ジクロロメタン)という物質です。特に窒素酸化物は,減らしたり,対策をすることが難しいとされています。
自動車の排気ガスに多く含まれているため多くの方が,なるべく自家用車を使わず,公共交通機関を使うようにする等日頃から意識していかなければなりません。

このように,私たち人間に有害な光化学スモッグ。

日差しが強く,気温が高く,風が弱い日に発生します。

環境省等では,注意報を出していることもあるので気になる方は,チェックしてみてください!

また当館では,地球環境を汚染しない,クリーンな技術等を紹介する展示もあります。
クイズや新エネルギーの実演もありますので,ぜひご覧ください。
(新エネルギーの実演は,毎日14:00~開催しています)

生活の科学2階
生活の科学 2階

私も,なるべく自動車を使用しない生活を心掛けたいと思います。

それでは!

インタープリター・にこやか(元・にこやか個装)


≪参考≫
・「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい環境汚染の本」
著 / 大岩 敏男,大木 久光,高堂 彰二,保坂 義男
出版 /日刊工業新聞社 初版 / 2014年9月25日
・「現場で役立つ大気分析の基礎‐VOCs,PAHS,アスベスト等のモニタリング手法‐」
監修 / 平井 昭司 編 / 社団法人 日本分析化学会
出版 / 株式会社オーム社 初版 / 2011年8月25日
・「基礎からわかる 大気汚染防止技術」
編 / タクマ環境技術研究会 出版 / 株式会社オーム社 初版 / 2016年4月22日