キャプションのあれこれ

皆さんは美術館や博物館へ行った際に、展示物の前につけられている短い説明文を見たことありますか?これを「キャプション」といいます。

今回は科学館の展示物につけられている「キャプション」について紹介したいと思います。
例として紹介するのは“ナウマンゾウの全身骨格”のキャプションです。

注目してほしいのは、右上のPalaeoloxodon naumanni(Makiyama, 1924)と書かれている部分です。これは学名といい、国際的なルールの基でつけられた世界共通の名称です。

動物の学名は、一般的に属名と種名からなる「二名法」と呼ばれる方法で表します。
ナウマンゾウでは、「Palaeoloxodon(パレオロクソドン)」が属名で、「naumanni(ナウマンイ)」が種名です。

一方、学名の後に続く(Makiyama, 1924)は1924年に槇山博士によって論文で報告されたことを意味しています。
名前に( )がついているのは、その研究によって、学名(属名や種名)が変わったことを意味しています。

実際に調べてみると、ナウマンゾウには当初、Elephas namadicus naumanniという学名がつけられていました。
Elephas(エレファス)」が属名、「namadicus(ナマディカス)」が種名、「naumanni」が亜種名です。「naumanni」だけが現在の学名にも残っていますが、全然違うのがわかります。

このように学名の表記について少しわかるだけで、展示物のキャプションの見方も変わると思います。
ご来館の際は、ぜひキャプションにも注目してみてください。

学芸グループ・田村