Popup School Report「みその教室」

職業体験を通して地域とキャリア(生き方)を学ぶプログラム『Popup School』。
今回は発酵の街として親しまれてきた新潟市の沼垂地区で、100年以上前から味噌醸造を営む峰村醸造さんで味噌づくりを体験し、味噌の製造工程や新潟の発酵文化を学びました。

さわやかな秋晴れとなった10月1日、「みその教室」に参加してくれたのは小学4、5年生の6名。味噌汁などは日頃から良く食べているそうですが、実際に味噌を作っている工場を見るのはみんな初めて。参加者の笑顔から好奇心と期待に満ちた様子が伝わってきます。では、いよいよ味噌蔵へ。
雲ひとつない秋晴れの空の下、みその教室が開校。

埃などを持ち込まないよう靴にカバーをつけ、ヘアカバーをしっかりと被る。

1限目「味噌を知る」
説明と味噌づくり体験の指導をしてくれるのは峰村醸造の小林  潤さん。

始めに小林さんから峰村醸造がある栗ノ木川周辺と醸造との関係や峰村醸造の歴史についてお話を聞き、その後、工場を見学しながら味噌作り作業の工程などについて説明してもらいました。
聞くのも見るのも初めてのことばかり、みんな真剣に小林さんの説明を聞きながら熱心にメモをとります。工場の中で初めて見る機械を前に熱心にメモをとる参加者。

熟成前の大量の味噌が機械から出てくる。

2限目「味噌を作る」
工場見学の次は、いよいよ実際に味噌を作る体験です。
味噌作りの材料は大豆、塩、米麹の3つ。

まずは、樽に材料を入れて手でこねてよく混ぜ合わせます。麹の粒が見えなくなるくらいに混ぜ合わせたら、酵母菌を加えてまたこねます。
仕込みの作業はひたすらこねること。単純だけど美味しい味噌を作るためにはとても大切な作業なのです。

こね終わった味噌は、野球ボールくらいの大きさの玉にして、別の樽に移しながらすき間ができないように潰していきます。味噌玉を潰し終えたら空気が入らないように密閉して仕込み作業の完了です。

仕込んだ味噌が食べられるのは来年の8月末。それまで自宅で熟成させます。味噌の材料となる大豆、塩、米麹。

美味しい味噌になるようにひたすらこねる、こねる、こねる。

3限目「味噌を考える」
味噌の仕込み作業では手と腕を使いましたが、今度は頭を使った作業です。テーマは「味噌を使った新しい商品」。3名一組のグループに分かれて意見を出し合いながら新商品のアイデアを考えます。

小林さんから実際に販売している味噌を使った商品や商品開発の方法など、参考となりそうなアドバイスをいただきながら想像力をふくらませてワークシートに新商品のアイデアを書いていきます。
そうして出たアイデアの中から自分が一番だと思ったものを発表しました。みんなで真剣に考えたアイデアが将来、商品化されるかもしれない。

新潟市の小学3年生の国語の教科書には「すがたをかえる大豆」という話が載っていて、大豆が味噌や醤油、豆腐など様々な食材の原料であることを習います。

今回は学校で習った知識(教科書の内容)が実際に体験できるとても良い機会となりました。2時間のプログラムでしたが、参加したこどもたちの集中力が切れることなく、みんな熱心に取り組んでくれて充実したイベントとなりました。

ご協力いただいた峰村醸造(株式会社 峰村商店)様には改めて感謝申し上げます。

新潟県立自然科学館