職場体験レポート(2022年10月)

先日、上山中学校2年生の4名の生徒さんが、職場体験に来てくれました。

こちらが何も言わなくても、早く清掃を終わらせた人がまだ終わってない人のサポートに入ったり声を掛け合ったり、楽しそうに仕事をこなせるチームワーク抜群の4名でした。

今回も職場体験の一環として、4人それぞれに自分が気に入った展示を皆さんに伝える展示紹介を考えていただきましたので、ここでご紹介します。

(以下、原文ママ 写真は生徒撮影によるもの)


「星」

星を見て「ああ…風情があるなあ…」と思ったことはないでしょうか。はい、ありますね。そんな体験がプラネタリウムではできるかもしれませんよ?

旧投映機

まずはじめに、みなさん、入館券+プラネタリウム観覧券を購入したことはないですか?その買った分、後悔させないつくりになっています。まず、現在では投映機が代わっていますが、初号機はなんと1.5tもあったそうです。そして、初号機の投映機で映しだせる最大の星の数は8,000個でした。そして現代に話はもどり…今の投映機は、初号機からの改良もあって、1.5tから400㎏へ約1tもの減量に成功しました。そして、投映機から映しだされる星の数も1,500個ふえて、9,500個の星を映しだせるようになりました。さらにさらに、天の川を1,000万個の光のつぶで再現しています。

新投映機
新投映機
星座絵

その投映機と映像を映しだすプロジェクターから作られるプラネタリウムは、まさに宇宙の神秘が秘められている、とても素晴らしいものです。ちなみに、現代の投映機の愛称は「ほしひかり」だそうです。あなたのプラネタリウム観覧券を買った分のお金をムダにしない、むしろ得をする素晴らしい設備だと思います。ぜひあなたもプラネタリウムにきて、素晴らしい体験をしてきてくださいね!

「生きている動物!?」

トキのはく製
ツキノワグマの剥製

このタイトルを見て、何を思い浮かべましたか?今回僕が紹介するのは、「トキ」と「ツキノワグマ」の剥製です。剥製とは、実際の生き物のからだを使って、動物そのものを表現する標本のことです。トキは、国際保護鳥で、国の特別天然記念物や新潟県の鳥にも指定されていて、日本を代表する美しい鳥となっています。トキの剥製だからこその良さは、羽の美しさがよくわかることです。ツキノワグマは、木の実を採るために木に登りやすいように、つめが長くするどくなっています。ツキノワグマの剥製だからこその良さは、本物の毛なみとつめが前述のように迫力があることです。また、ツキノワグマは、実際に手で触ることもできます!ただし、触るときは優しくしてください。

自然科学館には、トキやツキノワグマ以外にも、さまざまな動物の剥製があるので、ぜひ、剥製を自分の目で見たり、触ったりしてみてください。

「不思議がたくさん!?」

不思議なものを見て、解決したいと思ったことはありませんか?例えば…知恵の輪とか。
今回僕が紹介するのは…知恵の輪です。皆さんは、知恵の輪と聞いて最初何を思い浮かべますか?やっぱり最初はあまりピンときませんよね。知恵の輪とは、物理的に解くのではなく、頭を使いそのギミックを駆使して解くものだと僕は思います。

まず僕がなぜ知恵の輪に興味を持ったかというと、その理由は二つあります。
一つ目は、やっぱりはじめは解けなくてなんだろうと思いましたが、スタッフの人が声をかけてくれて、やり方を完全に教えてくれるのではなく、少しヒントをもらって、ヒントを得てから考えて解き、解けた時がとても嬉しかったからです。
二つ目は、考えて解くという事が面白いし、解き方と戻し方の二つのパターンを考えて自分で何回もできるようになりたかったからです。

今回僕が解いた知恵の輪は三つです。

知恵の輪 初級・中級・上級
左から、初級・中級・上級

初級、中級、上級と三つのパターンをやりました。初級は、「なるほど」っていう考え方で輪っかをどう動かすかがカギとなる面白いギミックの知恵の輪です。

知恵の輪 初級の解
初級解

中級は、カギみたいなものが三つくっついていて、それをとる知恵の輪です。一つのカギみたいなものともう一つのカギみたいなものを交わらせて、順番にとっていくのがおもしろい知恵の輪です。

知恵の輪 中級の解
中級解

そして、最後の上級はブランコ型の知恵の輪です。これはとにかく難しいです。スタッフの人がいないと僕はできませんでした。解くのも難しいのに戻すのも難しいという大変な知恵の輪です。ブランコのつけねの部分にどう通すか、どの順番で通すかがカギです。今回僕が注目したのは、自然科学館の不思議な広場の一部ではありますが、こんなに楽しいものがたくさんあるので、ぜひ自然科学館にきて自分の好きなものを探してみてください。

知恵の輪 上級の失敗と解
左から、上級失敗・上級解

「いろんなコースや高さでためそう」

このタイトルを見て、なんだか楽しそうな感じがしませんか?僕は自分でタイトルを考えて、自分で楽しそうだと感じました。ということで今回紹介する展示物は、「ループ&ウェーブ」といってボールを転がしてスピードを測れる展示物です。

もちろんコースをいろいろ変えてボールを転がすだけでもすごく楽しいですが、せっかくスピードが測れるんですよ?やっぱりスピードを比べたいですよね!!友達とスピードを比べて勝負してみたり、一人でもコースを変えてスピードにどのような違いがあるか見るのも楽しみの一つだと思います。

コースを変えるだけでなく、ボールを落とす高さを変えることもできるので、この展示物だけで長く遊ぶことができると思います。

さて、スピードを比べてどのようなことが分かるでしょうか?実は、同じ高さからボールを落とした場合、スピードはコースを変えても同じだということです。なぜ同じになるかは、同じ高さから落としたボールが最初のスタートの位置で持っているエネルギーは、ゴールの位置でも同じエネルギーを持っているからです。ぱっと見たらコースはすごくスピードに係わっていると思いますが、重要なのはボールを落とす高さなのです。ここではボールを同じ高さから落とすとスピードも同じということを紹介しましたが、自然科学館にはたくさんの新しい発見があると思います。ぜひ行ってみてください。

※スタッフ補足:実際の展示では、同じ高さから落としてもコースとボールの間に生まれる摩擦や空気抵抗などが関わってくるため、毎回少し誤差が出てしまいます。これは中学生の理科で学習する「力学的エネルギー保存の法則」の実験なのですが、自然の法則の実証は難しいですね。


皆さん実際に見て触って挑戦して、中学生になったからこそ気づいた面白さを伝えるためにスタッフに質問したり、展示場のキャプションを読み込んだりして調べながら紹介文を書き上げてくれました。

ご来館の際はぜひ展示物の仕組みなどにも注目して、自然科学館をお楽しみください!

(事務局スタッフ)