「液状化」に関する展示を設置しました

みなさまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか、企画担当Kです。令和6年に入り、早いものでもう2月ですね。

令和6年は元日から石川県の能登地方を震源とする大地震(令和6年能登半島地震)が発生し、各地に甚大な被害をもたらしました。この地震によって亡くなられた方に謹んでお悔やみを申し上げますと共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

当館のある新潟市も最大震度5強を記録しましたが、幸いなことに当館はさほど被害もありませんでした。けれどもこれは本当に幸いなことで、新潟市内のあちこちで大きな被害が出ています。中でも連日報道されているのが「液状化現象」による被害です。「液状化」は地震による大きな揺れが起こったことにより固そうな地面が液体のようになる現象で、そのために地表面が下がって家屋が傾いたり道路標識が沈んだりといった被害が出ます。

2024年1月3日撮影。館ではバックヤードにある図書室の本が崩れていました。

地震は地球で暮らす私達にとって、どうしても切り離して考えることはできない自然現象です。だからこそ、その現象がどういうものか、今一度見つめ直すのも良いのではないでしょうか。そういった思いから、当館「自然の科学」2階にて、「液状化現象」を紹介するコーナーを設けました。過去新潟で発生した液状化現象の様子の写真や、液状化現象を再現実験できる「エッキー」(※1)も設置していますので、ぜひご来館の際はご覧ください。

コーナーでは触れていませんが、現在は防災情報として様々な役立つ情報が出ています。そのうちの1つが、国土交通省北陸地方整備局・公益社団法人地盤工学会北陸支部作成の「液状化しやすさマップ」(外部リンク)です。液状化しやすさの大まかな傾向を示したもので、過去に液状化が発生した地区なども知ることができます。

2つ目が気象庁の「推計震度分布図」(外部リンク)です。地震発生時に震度が速報などで提示されますが、震度計のない場所の震度を計算して推定した震度が公開されています。これを見ると、地区によって実は震度の大きさが違っていたのではないかということがわかりますし、そのために同じ市内でも被害の大きさが違っていたのかもしれないと推測できます。こういった様々な情報を活用して、自分の住む地域がどのような場所なのかを考えるきっかけにしていただけたらと思います。

今年は新潟地震から60年、中越地震からは20年となります。いつなんどき起こるかわからない地震。だからこそ知識を蓄え、備えておきたいですね。

企画 K

※1 「エッキー」は防災科学技術研究所 納口泰明 氏によって考案された科学おもちゃです。


【リンク】

国土交通省北陸地方整備局・公益社団法人地盤工学会北陸支部 共同作成. “液状化しやすさマップ(新潟県内)”. 新潟県内の液状化しやすさマップ. https://www.hrr.mlit.go.jp/ekijoka/niigata/niigata.html, (参照 2024-2-15).

気象庁. “推計震度分布図”. 気象庁. https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#11/37.18/136.795/&contents=estimated_intensity_map, (参照 2024-2-15)