イモリのふしぎな能力

春を迎え、少しずつ暖かくなり、さまざまな生き物たちが活動を始める季節がやってきました。
今回は生き物の話をしたいと思います。

テーマは「アカハライモリ」です!
アカハライモリは、本州から九州まで日本に広く生息していて、池や水田、川などの近くでひっそりと隠れています。

アカハライモリがもつ驚きの特徴の一つが再生能力です。実は、このイモリは昨年秋頃に科学館にやってきたのですが、その時ケガをしていて、右前足がなかったんです…
でも、約半年たった今、しっかり足が生えました!
アカハライモリは足だけでなく、脳や心臓の一部、眼のレンズや網膜など、体の様々な部分を失っても完璧に再生できることがわかっています。
他の動物にはない高い再生能力をもっているため、再生医療などの分野で研究が進められています。

そして、ひときわ目を引くのがお腹の赤色です。

成体:お腹

実は、アカハライモリはフグと同じ「テトロドトキシン」という毒をもっています。
赤色と黒色の腹模様は、自分が毒をもっていることを敵に伝えて、身を守るためのものだと考えられています。
このような色を「警告色(警戒色)」と言います。
アカハライモリがもつテトロドトキシンの量は多くないといわれていますが、触った手が目や口に入らないよう注意しましょう。

最後の写真はアカハライモリの子ども(幼生)の写真です。

ウーパールーパーのように首の付け根に羽根飾りのようなものがついます。
この顔の左右に生えた3本の突起物は呼吸のために使います。「外鰓(がいさい・そとえら)」と呼ばれ、アカハライモリの子どもは魚のように水中でエラ呼吸します。
イモリは両生類ですので、成長すると、陸上でも生活するようになり、徐々にエラはなくなります。

アカハライモリは身近な生き物ですが、少し調べると色々な特徴があることがわかります。
動物だけではなく、植物も咲き始め、いろいろな春の訪れを発見することができます。
ぜひ、天気の良い日に生き物を探してみてください。
生き物の「ふしぎ」に出会えるかもしれません。

普及Y