恐竜は骨盤の形によって、爬虫類に似た骨盤をもつ「竜盤類」と、鳥類に似た骨盤をもつ「鳥盤類」に分類されています。竜盤類には、二足歩行をするティランノサウルスやタルボサウルスなどの「獣脚類」や長い首をもつカマラサウルスといった「竜脚類」が含まれます。一方、鳥盤類にはマイアサウラやトリケラトプスなどが含まれます。
この分類は約130年もの間、定説として教科書や図鑑で説明されてきました。しかし、定説を覆す可能性のある研究が今年の3月にNature(ネイチャー)(英科学誌)に掲載されました。この研究は74種類の恐竜の解剖学的特徴を詳細に分析し、竜盤類に分類される獣脚類と鳥盤類が近縁関係にあったことを明らかにしました。そして、竜盤類と鳥盤類を合わせた「Ornithoscelida(オルニソスケリダ)類」という分類を新たに提案しています。
今後、この研究は他の研究者によって異なる恐竜を用いて検証されるはずです。もしこれが正しいと証明されれば、恐竜に関する教科書や図鑑は全て書き換えが必要になります。近い将来、恐竜の分類が大きく変わる日が来るかもしれません。
<参考>
・論文のAbstract
https://www.nature.com/nature/journal/v543/n7646/standfirst/543494a_ja.html
・Nature News
http://www.nature.com/news/dinosaur-family-tree-poised-for-colossal-shake-up-1.21681#/b2
(学芸スタッフ・田村)