いつもはプラネタリウムリーフレットに掲載の「季節の星空ガイド」。臨時休館中の今は、特別に科学館日記で公開します。
さて、この春はどんな星空が広がっているのでしょう・・・
やわらかな春風が吹く、穏やかな夜。
北の空で目立つのは、大きなひしゃくの形をした7つの星・北斗七星です。
北斗七星をひしゃくに見立てて持ち手のカーブを南へと伸ばすと、2つの一等星を通る「春の大曲線」が描けます。オレンジ色の星は、うしかい座のアークトゥルス。そして青白い星は、おとめ座のスピカです。この2つの星と、西に見えるデネボラを結ぶと「春の大三角」が出来上がります。
このデネボラは、しし座のしっぽの星です。しし座の頭から胸の部分は、西洋の鎌に形が似ていることから「ししのおおがま」と呼ばれ、ここには一等星のレグルスが輝いています。
また、この方向の星空は「宇宙の窓」とも呼ばれ、遠くの銀河を見渡すことが出来ます。昨年4月、史上初となるブラックホールの撮影に成功した「M87」もこの方向にあります。
さらに今年は、5月中旬頃まで日の入り後の西の空に太陽系惑星・金星も見つかります。
春は多くの出会いがある季節。新しい星空との出会いもあるかもしれません。