みなさんこんにちは。
プラネタリウムで解説を担当しているIです!お元気ですか?
この頃は夜の寒さも和らいで、のんびり星を眺めるのに良い時期となりました。星座を探したり月を眺めたり…星空の楽しみ方は沢山あります。
特に!めったに起こらない天文現象は、普段夜空を見ないという方にもぜひご覧頂きたいなと思います。日が近いものでは、5月26日に『皆既月食(かいきげっしょく)』が起こりますよ!
■月食とは…?
太陽-地球-月が一直線に並ぶ時、地球から月を見ると満月に見えます。この並びの時に、地球の影に月が入ることで見られるのが「月食」です。満月の度に月食が起こらないのは、月の軌道が傾いているためです。ほとんどの場合、満月の日の月は地球の影と重ならないところを通過します。
月食には、
月の一部が地球の影に入り、月が欠けて見える「部分月食」
月がすっぽりと地球の影に入り、月が赤黒く見える「皆既月食」
月が地球の影の薄い部分に入り、月がほのかに暗く見える「半影月食」(肉眼ではわかりにくい現象ですが…)
…というように種類があります。
「部分月食」と「皆既月食」では、地球の影の濃い部分「本影」に月が入り、「半影月食」では本影の周りにある影の薄い部分「半影」に月が入ります。
さて、皆既月食の時には月が完全に見えなくなるわけではありません。上で書いたように赤黒く見えます。
皆既月食の時、太陽の光は地球の大気の影響を受け、わずかに月まで届きます。特に波長が長い赤い光が月に届きやすいため、この時には「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる赤黒い月を見ることができるのです。
皆既月食の前後には、半影月食も部分月食も見ることができますよ。
■当日の見え方【新潟の月の出】18:48
※月食は日本全国同じ時間に見られますが、月が昇ってくる時刻は地域によって違います
【皆既月食の始まり】20:09
【食の最大】20:18
【皆既月食の終わり】20:28
【部分月食の終わり】21:52
【半影月食の終わり】22:51
新潟では、月の出の時には既に部分月食が始まっていて月が欠けて見える状態で昇ってきます。時間が経つにつれ徐々に欠けている範囲が広くなっていき、20時9分頃、月全体が地球の影に入り皆既月食となります。皆既月食の状態は約20分続き、終わると再び欠け始めます。
■赤い月とアンタレスが並ぶ
この日の月は、さそり座の一等星アンタレスのすぐ傍に見えます。アンタレスは赤っぽく輝く星!赤い月と赤い星が並ぶ様子も今回の見どころの一つです。
さらに、5月26日の満月は、2021年で地球との距離が一番近い満月です。
つまり今年一番大きな満月が見られる!…ということになりますが、他の日の満月と見比べられるわけではないので、見つけても「いつもよりも大きいな~!」とは感じられないかもしれません。
でも皆既月食を今年一番大きな満月の時に迎えられるなんて、特別感はありますよね!
双眼鏡などがあればより詳細な姿を楽しめますが、皆既月食は道具が無くても十分に観察できます。
普段は見られない天文現象、ぜひこの機会に夜空を見上げてみて下さい。
…ちなみに、11月19日には「部分月食」が起こります!こちらもチェックしてくださいね☆
プラネタリウム解説担当・I