4月に入り、穏やかな日々が多くなってきましたね。
この時期、窓の外に耳を傾けると、鳥たちのさえずりが聞こえるようになってきました。ウグイスやヒバリ、シジュウカラのさえずりに春の訪れを感じます。
先日、新しい展示もスタートした自然の科学2階にあるブナ林のオープンジオラマでは、 たくさんの鳥の剥製を展示しています。
今回は、その中から「ゴジュウカラ」についてご紹介します。
ゴジュウカラは、ゴジュウカラ科に属する鳥で、大きさは全長13.5cmほどで、スズメくらいの大きさです。背や翼は青みのある灰色で、胸や腹の周辺は白く、脇の辺りはきれいなオレンジ色です。顔には、くちばしから目を通る特徴的な黒い線(過眼線【かがんせん】)があります。
日本では、北海道から九州北部の山の中や森林に多く生息していて、「フィフィフィフィ」とさえずります。
当館のゴジュウカラをよく見てみると、どちらも頭が下を向いています。
これは、どうしてなのでしょう?
実は!!ゴジュウカラにはすごい特技があり、頭を下にして木の幹を降りてくることができるのです!さらには、幹の表面を上下左右自由に歩き回ることもできます!ゴジュウカラは長くて頑丈な足指と爪をもっています。それらを使って、体を斜め下に向け、片方の脚で木の幹につり下がり、もう片方の脚で体を支えることで、頭を下にした状態で木の幹にとまることができているのです。このようにして、大きな木の幹を自由に歩き回りながらエサとなる虫を探します。
この特技は、「ゴジュウカラ科」以外の鳥ではあまり見られない行動だと言われています。そのうえ、日本には「ゴジュウカラ科」はゴジュウカラの1種しかいません。
つまり!日本でこの特技ができる鳥は、ゴジュウカラだけなのです!!
これが、ゴジュウカラの頭が下を向いている理由でした(^-^)/
もちろん!ほかにも、さまざまな特徴や特技をもっている鳥たちがたくさんいます!みなさんの身近にいる鳥たちを観察してみると、面白い発見があるかもしれませんよ♪新しくなった自然の科学2階ブナ林のコーナーにも、ぜひお越しください!
コミュニケーター:ごま
【参考文献】
・『名前といわれ 日本の野鳥図鑑①野山の鳥』(1995) 著者/国松 俊英 出版/小学館
・『原色 日本野鳥生態図鑑〈陸鳥編〉』(1995) 共著/中村 登流・中村 雅彦 出版/保育社
・『フィールドガイド 日本の野鳥』増補版(1994) 出版/日本野鳥の会