昨年12月に発表され、私の中で話題になった犬に関する研究論文があります。
それは、
数種の肉食動物それぞれの、(大脳皮質にある)ニューロンの数を計測した結果、その中で最もたくさんのニューロンを持っていたのはイヌであった、という内容の論文です。
ニューロンというのは脳の神経細胞のことで、思考と行動をつかさどる働きを持っています。
ニューロンが多ければ多いほど、脳は複雑で高度な情報処理ができるため、より知的な活動ができると考えられています。
この論文によると、
ゴールデン・レトリバーのニューロン数は約6億2700万個
雑種の小型犬は約4億2900万個
ネコは約2億5000万個
だったとのこと。
私たち人間は約160億個のニューロンを持つといわれていますので、それに比べればもちろん少ないのですが、イヌの平均のニューロン数は、ネコの約2倍以上ということがわかったのです。
ニューロンの数が勝っているからといって、単純に「イヌはネコより賢い」とは言えないのですが、なぜイヌは警察犬、盲導犬、介助犬etc.と多岐に渡って人間社会で活躍することができるのか。
その理由の一端が、脳科学の面から垣間見えた気がします。
普及 マル
【参考論文】
Alvarenga DJ, Lambert K, Noctor SC, Pestana F, Bertelsen MF, Manger P,Herculano-Houzel S (2017) Dogs have the most neurons, though not the largest brain: Trade-off between body mass and number of neurons in the cerebral cortex of large carnivoran species. Frontier Neuroanatomy .DOI:10.3389/fnana.2017.00118