みなさんこんにちは。まだまだ、寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
晴れた夜に空を見上げると、最近は冬の星座や明るい太陽系惑星がキラキラと輝いています。今の時期、夕方から夜8時ごろにかけて、西側の空を見ると、太陽系惑星の金星を見る事ができます。金星はとっても明るく輝いているので、簡単に見つかります。3月の中頃までは太陽が沈んだ後の西の空で見る事ができますよ。
♢人気者の金星♢
金星は色々な名前で呼ばれています。例えば、夕方に見える金星は「宵の明星」と呼ばれたり、「夕星(ゆうつづ/ゆうずつ)」などと呼ばれたりもしています。また、明け方、太陽が昇る前の東の空に見える金星は「明けの明星」と呼ばれています。沢山の呼び方があるのは昔から愛されてきた証拠ですね。
金星は2025年2月15日に明るさが最大となる「最大光度」になり、より一層明るく輝きます。その明るさは一等星のおよそ100倍と言われています。とてつもない明るさですね!
♢内惑星と外惑星♢
太陽系惑星は太陽の周りをまわっている天体で、全部で8つあります。
8つある太陽系惑星は太陽から近い順に 水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。
![](https://sciencemuseum.jp/cp-bin/wordpress/wp-content/uploads/2025/02/0207_1.jpg)
私たちの住んでいる地球よりも太陽に近い軌道をまわっている水星と金星は内惑星といいます。反対に地球よりも外側をまわっている惑星を外惑星といいます。
内惑星は地球よりも太陽の近くをまわっているので、見える位置も太陽に近く、一般に太陽が昇る前の明け方か、太陽が沈んだ夕方にしか見る事ができないんです。
♢もう一つの明星?夜半の明星♢
実は、明けの明星と宵の明星の他にも「夜半(よわ/やはん)の明星」と呼ばれる星もあります。なんだかバトル漫画の技名に出てきそうなカッコいい名前ですよね。
夜半とは、夜中という意味です。明星と名前がついているので、夜中に見える金星の事かな?と思ってしまうかもしれません。しかし、金星は真夜中には見えません。先述の通り、内惑星の金星の見えるタイミングは明け方や夕方です。
夜半の明星の正体は、金星ではなく太陽系で一番大きな惑星の木星です。
木星は、金星とは違って地球の外側をまわっている外惑星なので、一晩中見る事ができます。2025年3月の中頃までは、宵の明星(金星)が西の空に見える頃に南西の空で夜半の明星(木星)を見る事ができますよ。是非、宵の明星と夜半の明星を夜空で見つけてみてください。
![2025年2月10日に、当館から見える星空をシミュレーションした画像](https://sciencemuseum.jp/cp-bin/wordpress/wp-content/uploads/2025/02/0207_2.png)
プラネタリウム解説員 わさわ
<参考文献>
・天文の基礎知識8惑星,アストロアーツ,https://www.astroarts.co.jp/alacarte/kiso/kiso08-j.shtml(参照:2025年1月19日)
・金星が最大光度(2025年2月),大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
国立天文台(NAOJ),https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/02-topics03.html,(参照:2025年1月19日)