6月某日の朝、科学館の屋外展示場にて出会いました。
つぶらな瞳のこの生き物、分かりますか?
かわいい顔しています。
「クサガメ」です。
正面顔はこんな感じ。
なんだか踏ん張っているようなお顔…
クサガメは昼行性のカメで、流れの緩やかな河川・湖・池・水田などに棲んでいます。
屋外展示場にある池ではミシシッピアカミミガメをよく見かけますが、私はクサガメを見かけたことはありません。
普段の生息場所(おそらく鳥屋野潟)からなぜこんな遠くまでやってきたのか?
それは…
「産卵」です!
この時期、産卵場所を求めて一心不乱に歩くカメの姿は、鳥屋野潟公園周辺ではわりとよく見られます。ただ、夕方にしか見かけたことがなかったので、夜に産卵しているものと思っていました。
クサガメのお父さんの代わりに産卵に立ち会ってみました。
観察を始めた時にはすでに1個の卵が巣穴に産み落とされていました。
1個産んだ後は少しの間がありますが、結構スムーズな産卵でした。
観察開始から約30分…産んだ卵の数は、なんと8個!!
卵の大きさは長径40㎜、短径23㎜…意外と大きめです。
甲長15㎝ほどのカメが8個も産卵するなんてビックリです!
掘った巣穴の大きさも大きからず小さからず、ぴったり8個が入る大きさでした。
産卵後は前脚を軸にして、左右の後ろ脚を交互に動かして卵に土をかけていました。
(ちなみに、穴を掘るのも後ろ脚らしく、甲羅もしっぽ側から1/3ほどが泥で汚れていたものの、前脚には泥がまったくついていませんでした。)
地面がほぼ平らになった後は、これまでとは違う場所にグッと脚を伸ばして落ち葉もかけていました。
土で覆うだけでなく、カモフラージュまでするとは!
たまに休憩しつつ作業すること約30分…ようやく前脚に力が入ったと思ったらスタスタと歩いて近くの茂みに入って行きました。
産卵後はこんな感じで、周りとの違和感があまりありません。
卵は約2か月後には孵化しますが、巣の中でそのまま越冬し、暖かくなったら土から出てくるそうです。楽しみですね。
来年、もし子ガメを見かけたら温かく見守ってあげてください。
(普及 J2)