新年度が始まって早1か月。新生活の疲れが出始める時期ですね。そんな時には、空を見上げたり、プラネタリウムを見たり…日常から少し離れてみるのはいかがでしょうか。
今回は、当館で投映中のプラネタリウム番組と天文現象についてご紹介します。
現在プラネタリウムでは4種類の番組をご覧いただけます。
お子さんから大人の方まで楽しめる通年番組『ダイナソー・サバイバル 恐竜たちの大進化』や、迫力ある大型映像と季節の星空解説をどちらも楽しめる春の番組『ECLIPSE THE MOMENTS OF WONDER』、季節の星空をたっぷり楽しめる解説番組『春の星めぐり』、その日の夜空を天文解説員のライブ解説でお楽しみいただける『星空さんぽ』…と、どれを選ぶか悩んでしまいます。
『星空さんぽ』は担当者によっても、ご覧になる日によっても内容が変わっていきますので、解説を担当する私としてはぜひご覧いただきたい番組なのですが、今回は春の番組『ECLIPSE THE MOMENTS OF WONDER』をご紹介したいと思います。
今年一番注目の天文現象と言っても過言ではない“皆既月食”に関する話題も出てくるからです。

◇春の番組『ECLIPSE THE MOMENTS OF WONDER』◇
月や太陽、星々の織り成す様々な「食」をテーマに、美しい映像が広がります。魅力的な天文現象に目を奪われること間違いなしです!
番組でも紹介されている「皆既月食」はこの秋、新潟でも見ることができます。

2025年9月8日(月) | |
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部分食の始まり | 午前1時27分 |
皆既食の始まり | 午前2時30分 |
皆既食の終わり | 午前3時53分 |
部分食の終わり | 午前4時57分 |
夜遅くから明け方にかけてのこの時間帯、観察には気合が必要そうです…。
番組では、皆既月食の美しい様子が見られるだけでなく、「皆既月食で月が赤黒く見えるのは、〇〇〇と同じ原理」など、解説もあります。番組をご覧いただくと月食をより楽しめると思います。
皆既月食が起こるのはまだ先ですが、春の番組『ECLIPSE THE MOMENTS OF WONDER』が見られるのは、2025年6月15日までです。番組が終わってしまう前にぜひご覧ください。
番組の後半には、新潟から見られる春の星座のご紹介もあります。まずは春の星座を探しつつ、夜空をたくさん見上げてみてくださいね。
そして、『星空さんぽ』でも皆さんをお待ちしています!その日ならではの星空や注目の天文現象などをご紹介しますので、9月に近づくほど私以外のスタッフも皆既月食のことをご紹介し始めることでしょう。
◇「みずがめ座η(エータ)流星群」◇
最後にゴールデンウィークを迎えている今の時期に起こる天文現象として、「みずがめ座η流星群」をご紹介します。

みずがめ座η流星群 | |
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活動期間 | 4月25日~5月20日 |
極大 | 5月6日12時 |
見ごろ | ①5月6日,7日 午前3時頃 ②5月3日~9日頃 |
②は、出現数が半数程度になるものの、見やすい期間です。
流星群では、星空のある一点から流星(流れ星)が放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、一般には、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ばれています。つまり、今回はみずがめ座に放射点がある流星群です。
みずがめ座の辺りにばかり流れ星が出現するわけではなく、空全体に広がるように流れます。みずがめ座を見つける必要はありませんが、放射点が空に昇っていないとその流星群の流れ星は見られません。今、みずがめ座にある放射点が昇ってくるのは、午前1時半過ぎです。
こちらも明け方の時間帯にはなりますが、学校やお仕事がお休みという方は、普段より観察しやすいのではないでしょうか。私としては、流れ星とともに、明けの明星「金星」も見られそうなのが注目ポイントです!
今年は流れ星がいくつ見つかるか楽しみです。それでは、すてきなゴールデンウィークをお過ごしください☆彡
プラネタリウム解説員 T
<参考資料>
・国立天文台. “皆既月食(2025年9月): ほしぞら情報2025年9月”. 国立天文台. https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/09-topics01.html, (参照 2025-3-31).
・国立天文台. “流星群: 基礎知識”. 国立天文台. https://www.nao.ac.jp/astro/basic/meteor-shower.html, (参照 2025-3-31).
・国立天文台. “みずがめ座η(エータ)流星群が極大(2025年5月): ほしぞら情報2025年5月”. 国立天文台. https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/05-topics01.html, (参照 2025-3-31).
・天文年鑑2025年版. 天文年鑑編集委員会編. 株式会社誠文堂新光社, 2024, p.59.