皆さん初めまして!今年度から入社しました、新入社員Mです。
12月に入り、今年も残りわずかとなりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私は年末が近づくと、過去どんな出来事があったか思い出を振り返る為に、写真を見返します。すると、ある写真が目に留まりました。

こちらは昨年の夏頃、帰宅する為に車を運転していたところ、偶然発見した虹のふもとの写真です。
“虹のふもとには宝物が埋まっている”という言い伝えも聞いたことがありますし、実際にたどり着けるか行ってみたい!と考えた私は、車を停めて自分の足で虹のふもとへ近づいてみました。ですが、近づけば近づくほど虹は薄くなり、最終的には見えなくなってしまい、ふもとにたどり着くことはできませんでした。当時の私は、時間が経って消えてしまったのかな…と考えていましたが、科学に携わる仕事に就いた今、しっかりとした科学的な理由があるのではと思い調べてみました。
そもそも、なぜ虹はできるのでしょうか?
虹を作っているものは、太陽の光と空気中の水の粒です。
太陽の光には、いろいろな色が含まれています。しかし、人間の目で感じられる光の色には限りがあり、見分けることができる光の色は、赤、青、紫など、虹の色と同じです。その色の違いは、光の波長の長さによります。
そういった様々な色を含む太陽の光が、空気中の水の粒に反射して、カラフルな光が見える現象のことを“虹”と呼びます。
水の粒が太陽の光をまげて反射させ、その反射させた光がそれぞれ違ったまがりかたをすることで、赤から紫の光が見えるのです。
雨が降った後や降る前に虹を見かけることが多いのは、太陽と自分との間に太陽の光を反射させる水の粒が空気中にたくさんあるためです。
では本題です!なぜ私は虹のふもとにたどり着くことができなかったのか、そもそも、ふもとにたどり着くことは可能だったのでしょうか?
結論から言うと、虹のふもとにたどり着くことは絶対にできないそうです。
虹は、水の粒に反射した太陽の光の向きが、観測者とちょうど合った角度のところに現れます。その角度は色の波長によって少しずつ違いますが、虹の輪の中心(対日点)から40~42°です。虹のふもとにどんなに素早く行こうとしても、虹は40~42°の角度を保ち続けます。
そのため、虹のふもとにはたどり着けず、虹をくぐったりすることもできません。これは、朝や夕方に太陽を背にしてできた自分の影に追いつけないのと同じです。

残念ながら、虹のふもとにはたどり着けないようですね…。虹のふもとに向かって必死に走っていた私に教えてあげたいです。
でも今度また虹を発見した時は、このことを意識して再度近づいてみようと思います!
日本海側では、夏場だけではなく初冬の時雨の雨がひとしきり降った後、日がさしたときに虹がよく出たりするそうです。そのため、今の時期でも新潟では虹を見ることができるかもしれません🌈
皆さんも是非、虹を見つけたら観察してみてください!
コミュニケーターM
<参考>
・“検証!虹のふもとに辿り着くことは出来るのか?”. ウェザーニュース. https://weathernews.jp/s/topics/201807/300165/ (参照 2025-10-25).
・“虹はなぜできる?”. 子供の科学のWEBサイト「コカネット」. http://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5066/ (参照 2025-11-01).
・“「虹のふもとは永遠にたどり着けない」理由を気象の専門家・荒木健太郎さんが解説”. 毎日が発見ネット. https://mainichigahakken.net/hobby/article/copy-2028.php#goog_rewarded (参照 2025-11-01).
・日本科学未来館監修. “にじってどうしてできるの?”. 好奇心をそだて考えるのが好きになる 科学のふしぎな話365. ナツメ社.2012年,p124
・“水と光がつくる不思議な現象”. 小学館の図鑑NEO: 地球. 小学館.
・上出洋介. “太陽のいろいろな光”. 太陽のきほん. 誠文堂新光社. 2018年
