泡をふく木!?

12月の寒い朝、屋外展示場を巡回していました。
その時、ケヤキの木の根元に白い綿のような塊を見つけました。
近づいてよく見てみると、それはなんと泡!
まるで泡ハンドソープみたい!
でも・・・木って泡を吹くの????

私の知っている自然界の「泡」といえば、生き物がつくるイメージがあります。
例えば、モリアオガエルの卵塊やアワフキムシの泡巣です。
でも、この2つは草や木の上にあるし、季節外れ・・・

ということで、調べてみました。
すると、樹木の根元にできる泡は「樹幹流(じゅかんりゅう)」によるものということが分かりました。

「樹幹」は「木の幹」のことです。木の幹を流れるものは何かというと・・・
それは雨水です。
木の枝や葉に落ちた雨水が、幹を伝って根元に流れていく現象が樹幹流です。

そして、この樹幹流が地面に落ちるところに白い泡が見られることがあります。どうやら、木の表面に付着したいろいろな物質が雨水で流されて泡立つようです。
例えば、木に含まれている脂質が表面に溶け出たり、木や枝や幹に付着している細菌なども樹幹流に溶け出します。このように、木の成分や、表面に付着するさまざまな物質が樹幹流で流されて、泡ができあがります。

でも雨が降ったらといって、必ず泡が発生するわけではありません。木の幹を流れる雨水の量、木の幹の面積、前回の降雨からの経過時間など様々な要因があり、条件がそろったときにこの泡を見ることができます。
また、泡立つ条件は環境によって異なるので、見たくてもすぐにみられるというわけではないようです。

雨が降っているときや降った後の木の根元を見てみると、運がよければ白い泡を見つけられるかもしれませんね。

企画グループ 鷲尾