知っておこう!身近な食材に潜む毒

先日、夕飯にカレーを作ろうとジャガイモを手に取ったところ、芽がちらほらと出ていることに気がつきました。このまま放っておくと芽がどんどん伸びて、「未知の生物のようになってしまうのでは!?」と、いつも思ってしまいます。

お料理をされる方ならすでに知っているかもしれませんが、このジャガイモの芽には「毒」があるのをご存じでしたか?

私たちが普段食べているのは、ジャガイモの「塊茎(かいけい)」という部分で、これは土の中にある茎の一部です。ジャガイモはこの塊茎から芽を出し、成長して新しいジャガイモ(塊茎)をつくることで増えていきます。そして、この芽やその周辺には、外敵から身を守るために毒が蓄えられているのです。

また、ジャガイモは日光や照明の光に当たると、だんだんと緑色になります。この緑色の部分にも芽と同じ毒が含まれています。

ジャガイモの芽や緑色の部分に含まれている毒は、天然毒素である「ソラニン」や「チャコニン」と呼ばれるものです。これらはナス科の植物に含まれる有毒物質で、多く摂取すると嘔吐や腹痛などの症状を引き起こすことがあります。特に子どもの場合は、重症化することもあるので注意が必要です。

そのため、ジャガイモを調理する際には、芽は周囲を含めてしっかり取り除き、緑色に変色した部分も、その周囲ごと丁寧に取り除くようにしましょう。ソラニンやチャコニンは加熱しても大きく減ることはないため、調理前の下処理がとても大切です。

そして、「毒」を含む身近な食材はジャガイモだけではありません。

たとえば、甘くておいしいモモ。私も大好きな果物ですが、その一部に毒があるのです。モモやウメ、ビワなどのバラ科の植物の種子や未熟な果実には、「アミグダリン」という青酸を含む天然の有毒物質が多く含まれています。これを一度に大量に摂取すると、頭痛やめまい、嘔吐などの中毒症状を引き起こすことがあります。場合によっては、けいれんや呼吸困難を起こし、命に関わることもあります。

普段は未熟な果肉を食べたり、種を口にすることはあまりないと思いますが、覚えておきましょう。

そのほかにも、生のインゲンマメやギンナンなどにも毒があることが知られています。

このように、私たちの身の回りには「毒」を持つ食材が意外とたくさんあります。そう聞くと少し怖く感じるかもしれませんが、毒の存在を知り、正しい対処をすることで、安全においしく食べることができます。

料理本などには、食材の下処理方法が詳しく載っていますし、農林水産省のホームページでも、食中毒や食材に含まれる毒についてわかりやすく解説されています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

コミュニケーターK

〈参考〉

・“知識があればこわくない!天然毒素”. 農林水産省. 2025-03-27. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin.html#jyagaimo (参照 2026-04-17).

・“ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう”. 農林水産省. 2021-01-15. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/loquat_kernels.html(参照 2026-04-17).

・国立科学博物館・読売新聞社編. 特別展「毒」 図録. 読売新聞社・フジテレビジョン, 2022.

・船山信次 指導. 福田康彦編. しぜんキンダーブック 8月号 どくのあるいきもの. 第5編, フレーベル館, 2024.

・板木利隆.畑中善秋.三輪正幸.吹春俊光.横浜康継 監修. 小学館の図鑑NEO 野菜と果物. 第7刷, 小学館, 2020.