みなさんこんにちは!(こんばんは!)プラネタリウム解説員のTJです。
だんだん涼しくなって、夜も過ごしやすくなってきました。お天気が悪い日も多いですが、空が晴れていたら、夜空を眺めて過ごすにはいい季節ですね。
私は、月や太陽系惑星など、目ぼしいものが空に見えると、スマートフォンで写真を撮っているのですが、私の今のイチオシは、火星です。今年の秋の時期は、深夜から明け方の時間帯に火星を見つけることができます。
■火星を見つけてみよう

この写真は、今年2026年9月6日の午前2時頃に東の空を撮影したものです。
この日は、半月を過ぎたお月様が近くに昇っていて、写真だと月明かりがまぶしく、ほかの星々が見えづらいですが、写真の左下に火星が写っています。
火星は赤っぽい色が夜空で目立ちます。でも、夜空には火星以外にも、オリオン座の1等星ベテルギウスやおうし座の1等星アルデバランなど、赤っぽい色の星はいくつかあります。実際に夜空で“火星は赤い星”と思って見つけようとしても「あれ?どれが火星なの…?」と分からなくなるかもしれません。
そんなときは、まわりにある星座の星の並びをヒントにして探すと、見つけやすいです。

例えば、この日、私はふたご座の星をヒントに探しました。
ふたご座は、仲良く並んだ2つの星、カストルとポルックスが見つけやすいです。
ふたご座の近くには、火星と同じくらい赤く見えるベテルギウスとアルデバランがありましたが、オリオン座とおうし座の星の並びの特徴が分かると見分けることができます。オリオン座の特徴は等間隔にきれいにまとまって並ぶ三ツ星です。そのそばにベテルギウスが輝いています。おうし座は、アルデバランと周りの星がアルファベットのVの字のように並んで見えます。
ただ、火星を含め太陽系惑星は、星座を作る星々と違い、周りの星との位置関係を変えるため、いつでも同じ位置に見えるわけではありません。
10月に入った今、写真とは見え方が違いますので、火星を探すときは注意が必要です。

10月になると、火星は、日が経つにつれてどんどんふたご座から遠のいていきます。そのため、10月中旬くらいまでは、“カストルとポルックスより低いところ”と思って探すと見つけやすそうです。
また、この頃には、木星がとっても明るく目立ちますので、先に見つかるかもしれません。ほかの星よりひときわ明るく見える木星を見つけたら、それより高いところにある赤っぽい色の星が火星です。
もし星座の星の並びをヒントにするなら、今年の秋の時期は、木星はしし座のあたりにあります。しし座は、はてなマークを裏返しにしたような星の並びが特徴です。はてなマークの一番下にあたる星は1等星のレグルスといいます。
10月中旬以降は、木星やしし座の星の並びを目印にして、火星を探してみましょう。

さらに、翌月11月16日前後の数日間は、しし座のあたりで、火星と木星の2つの明るい星が見かけ上、大接近している様子を見ることができますので、こちらも必見です。
1等星のレグルスが近くに見え、3つの明るい星が細長い小さな二等辺三角形に並んでいるようで、面白いです。

「夜更かし」もしくは「早起きできる」という方は、11月14日~18日くらいの数日間を狙って、ぜひ東の空を眺めてみてくださいね。
■2026年、火星にまつわる日本の宇宙探査が大きな節目を迎えています
今年2026年、日本のJAXAが中心となって、火星の衛星に探査機を送る「MMX(Martian Moons eXploration)」という計画を進めていて、注目を集めています。
MMXで目指すのは、火星そのものではなく、火星の衛星、いわゆる地球でいう、月です。
火星のまわりには、2つの小さな月、フォボスとダイモスが回っています。

夜空では私たちの目で見ることはできませんが、火星のすぐそばを回るこの2つの天体には、太陽系の歴史を知る重要な手がかりが隠されていると考えられています。
今回の計画では、フォボスの表面に着陸、そのサンプルを採取し持ち帰るというミッションに挑戦します。
小惑星リュウグウからサンプルを持ち帰った「はやぶさ2」が記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんね。
MMXでは、その舞台を火星圏へ移します。これは、世界初の火星の衛星からのサンプルリターンを目指す計画です。
現在は、探査機を乗せたロケットがJAXA種子島宇宙センターへ搬入され、打ち上げに向けた準備が進められています。
打ち上げ予定日は、2026年10月20日(打上げ予備期間:2026年10月21日~11月7日)です。※最新情報はJAXAのHPをご覧ください
夜空では、火星は小さな赤っぽい色の点にしか見えません。でも、MMXでは、その小さな点まで探査機を送り届けます。そして、その周りを飛び、小さな衛星フォボスに着陸し、サンプルを採取して地球へ持ち帰ろうとしています。そう考えると、夜空の火星の見え方が少し変わってきませんか?
■MMX計画をもっと知ることができるプラネタリウム番組を特別上映!
最後に、探査機の打ち上げ予定日に合わせて、当館で2025年度に上映したプラネタリウム番組『MMX 火星衛星探査計画』を期間限定で再上映します。MMXの探査の一部始終を全天周のダイナミックな映像で楽しむことができます。この機会にぜひご覧ください!
<参考>
・国立天文台. “火星と木星が接近(2026年11月)”. ほしぞら情報2026年11月. https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/11-topics03.html,(参照 2026-9-16).
・国立天文台. “火星とは”. 国立天文台. https://www.nao.ac.jp/astro/basic/mars.html,(参照 2026-9-16).
・JAXA|宇宙航空研究開発機構. 火星衛星探査計画(MMX)プロジェクトサイト(宇宙科学研究所). https://www.mmx.jaxa.jp/index.html,(参照 2026-9-18).
・JAXA|宇宙航空研究開発機構. H3ロケット10号機による火星衛星探査機(MMX)の打上げ. 2026-8-20. https://www.jaxa.jp/press/2026/08/20260820-1_j.html, (参照 2026-9-18).
・JAXA|宇宙航空研究開発機構. “MMX×H3ロケット10号機特設サイト”. ファン!ファン!JAXA!. https://fanfun.jaxa.jp/countdown/mmx_h3f10/index.html,(参照 2026-9-18).
