目立たないけどすごい展示 ―人工衛星―

みなさんこんにちは。にこやかです。

近年、「はやぶさ2」「みちびき」等が注目されて、人工衛星が話題になる事が多くなってきました。
そして、意外と私たちも日々お世話になっている人工衛星…。
もし人工衛星の展示があったら、見てみたくないですか?見たいですよね!?(私は見たいです…!)

実は、当館には人工衛星の展示があります。それがこちら!
生活の科学2階と3階の間にあります。
これらは全て、実物大模型です。どれもとても大きいです!

左から
実験用中容量静止通信衛星「さくら」
静止気象衛星「ひまわり」
実験用中型放送衛星「ゆり」です。
3機とも1980年代に役目を終えています。
1つずつ、簡単にご紹介していきます。
(本当は詳しくご紹介したいのですが、それは次の機会に…。)

まずは、実験用中容量静止通信衛星「さくら」。
「衛星通信」の実験を行うために打ち上げられた人工衛星です。
衛星通信…という言葉、あまり聞き馴染みがないですよね。
人里離れた山奥や大海原の真ん中など、陸地にある基地局と通信できないようなところでも通信を行えるようにするのが、衛星通信です。
通信できる容量が大きいため、テレビの生中継で使われることもあります。

ちなみに、3つの人工衛星についている青いパネルは、「太陽光パネル」です。
太陽の光で発電して、稼働します。

次は、静止気象衛星「ひまわり」。
天気予報のコーナーで、「気象衛星ひまわりからの画像です」等と紹介されることもある、お馴染みの人工衛星。
地球の画像を定期的に撮影して、地上へ送っていました。
現在では「ひまわり8号」と「ひまわり9号」が活躍しています。

さきほどご紹介した「さくら」と、こちらの「ひまわり」、どちらも筒状の形をしています。
これは、人工衛星自体がコマのように回転して、姿勢を安定させる「スピン安定方式」の人工衛星であるためです。

最後は、実験用中型放送衛星「ゆり」。
THE・人工衛星!という形をしていますね。カッコイイ!!(どことなく形が「はやぶさ2」に似ている気がしませんか…?)
「衛星放送」の実験を行うために打ち上げられた人工衛星です。
衛星放送とは、各家庭にテレビ放送を届ける際に、人工衛星を用いる放送のことを言います。
「BS放送」「CS放送」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これらが衛星放送です。
ちなみに、生活の科学2階でBS放送を流しているコーナーがあります。探してみてください!

人工衛星の実物大の模型なんてなかなか見る機会はないので、ご来館の際にはぜひ、じっくりご覧ください!
階段の踊り場に、各人工衛星の簡単な解説もありますので、そちらも合わせて見てみてください。

それでは!

コミュニケーター・にこやか


≪参考≫
『完全図解・宇宙手帳 世界の宇宙開発活動「全記録」』(2012)著/渡辺 勝巳 協力/JAXA 出版/講談社
『宇宙工学概論』(2001)著/小林 繁夫 監修/宇宙開発事業団 出版/丸善