9月12日は宇宙の日。
1992年9月12日、毛利衛宇宙飛行士が日本人として初めてアメリカのスペースシャトル「エンデバー」で宇宙に飛び立ったことにちなんで制定されたそうです。
身近に宇宙を感じられるものの一つが「宇宙食」!
宇宙食には種類があり、大きく4つに分けられます。
加水食品
フリーズドライやスプレードライ製法などで作られた食品。水やお湯を注入して食べる。
温度安定化食品
レトルトや缶詰などの食品。開封してそのまま食べられるほか、国際宇宙ステーションISSのフードウォーマー(調理設備)で温めて食べることもできる。
自然形態食品・半乾燥食品
そのまま食べられる加工食品。ビスケットやゼリー、ドライフルーツ、ジャーキーなど。
調味料
食品に味付けをするための調味料。マヨネーズ、醤油など。塩と胡椒は、飛び散らないよう液体になっている。
昔は、一口サイズの固形食やチューブに入ったクリーム状・ゼリー状の食品だったそうですが、現在では種類も増え、JAXA認証の「宇宙日本食」などもあります。
当館のミュージアムショップでも、「宇宙日本食」や、宇宙食と同じ製法の一つ“フリーズドライ製法”で作られた「スペースフード」などを取り扱っています。
※取り扱い状況は変更になる場合があります。

宇宙日本食の一つ「きんぴらごぼう」。
大西卓哉宇宙飛行士と油井亀美也宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションにも提供されたそうです。
※ISS搭載品とはパッケージに違いがあります。



主食系からデザートまであるスペースフード。
こちらは市販向けの食品で、フリーズドライのまま食べるものが多いのですが、味や食感のほかに気になったのが、「水やお湯で戻すことはできるのかな―――」ということ。
そのきっかけになったのがこちらの「おもち」です。
おもちは、公式の食べ方として、水で戻して食べるように案内されています。


中身はこんなかんじです。

おもちとは思えないほど軽く、ざらっとした質感。
ですが、水を注ぐとすぐに変化し、もちもちに。



茹でたてつるつるの白玉と求肥が合わさったような食感で、とても美味しいです。
水を注ぐ前は1個あたり6.5g、注いだ後は19gになっていました。
※実験として、水で戻す前も食べてみたのですが、ガリッとした硬い食感から、スチレンボードのような嚙み心地(イメージ)を経て、赤ちゃん用のおせんべいのように口の中で儚く消えていきました。もちもちにはならず。
このおもちの見事な変化。
実験心に火がつき、気になるスペースフードを食べてみることにしました。
今回、実験・実食してみたのはこちら。




エビグラタン

お弁当用グラタンのような見た目。そのままだとサクッ、ザクッとした食感ですが、口の中で変化し、ホワイトソースの滑らかさも感じられます。
↓熱湯で戻してみました。

ちょうどひたひたになるくらいのお湯をスプーンで加えたところ、なんと、ほぼ普通のグラタンに戻りました。
1~2分でホワイトソースは滑らかに、みじんぎりの玉ねぎのシャキシャキ感も分かります。
そのままだとザクザク食感で分かりづらかったマカロニも見つけることができました。
エビはカップヌードルのものにそっくり。
マカロニとエビは追加で2~3分ほど待つとちょうどいいかんじでした。
プリン

カチカチのプリン。
そのままだとサクッと軽い食感で、口の中でしゅわ~っとなめらかに溶けながら、しっかりとプリンの香りが広がります。
↓ 熱湯で戻してみました。

!?

なんと、プリンがふわっとほどけて崩壊してしまいました。
まるで、かきたまスープのように…。
でも欠片は少しふるっとした食感。
↓ 気を取り直し、水で戻してみました。


表面はすぐにやわやわに。中はカチカチなので、しばらく浸けてみます。

40~50分ほどかかりましたが、なんと、中までやわらかめのプリンのような食感に!
そのままの時より優しめの味わいですが、卵の風味まで感じられて美味しいです。
たこやき


お皿に出すとカンッと音を立てるたこやき。
そのままだとガリガリ、ボリボリとした硬い食感ですが、口の中でだんだんとろとろのたこやき生地のようになります。味はソースというより、出汁の風味を強く感じました。タコは表現が難しいですが、ぎゅっ?ぐっ?とした食感。
↓ 熱湯(白だし入り)で戻してみました。

表面はすぐふっくらとしましたが、中はカチカチなので、しばらく浸けてみます。

5~6分ほど浸けて、引き揚げてみました。
表面が少しふやけていて明石焼き感がありましたが、数分置くと、水分が馴染んでたこやきのように…!みじんぎりのキャベツのシャキシャキ感や甘みも分かります。
タコはシーフードヌードルのイカのような食感に。

ソース、マヨネーズ、青のりを乗せたらもう、たこやきでした。
白だしがとても合っていたので、もし実験される場合はおすすめです。
チョコレートケーキ



想像以上にケーキ!(笑)ショーケースに並んでいそうなエレガントな見た目です。
3等分に切り分けることもできました。
そのままだとスポンジがサクッ、クリームがモクッ?とした食感ですが、口の中で滑らかになり、生チョコケーキのような味わいに。
↓ 熱いココアで戻してみました。

おっ!いけそう?と油断していたら、

みるみるとろけて成れ果てのような姿に…。ご、ごめんね。
でも、とろとろのチョコが濃厚で、味はとても美味しいです。
↓ 気を取り直し、常温のココアで戻してみました。

切り分けた時のヒビで崩壊しましたが、いけそうです。

10分ほど浸けて、引き揚げてみました。
スポンジの水分が多かったため、キッチンペーパーの上に数分置いたところ、すごくケーキらしくなりました。
スポンジの間のクリームが少し固いままだったため、少しだけココアの温度を上げて数分浸けるか、熱いココアに入れてすぐ引き揚げるなどすると、より良くなるのではないかと思いました。
それでも、食感はしっとりとしたケーキで、滑らかなチョコがとても美味しかったです。
公式の食べ方ではありませんでしたが、今回の実験を通して、フリーズドライ食品の美味しさと技術を感じることができました。
しかも、食品を軽量化できて長期保存もできるなんてすごいですよね。
宇宙食は、フリーズドライなどの加水食品や、レトルトや缶詰などの温度安定化食品といった常温で長期保存できるものが多く、災害食としても注目されているそうです。
宇宙食の未来として、食品を宇宙で地産地消するための研究も進められています。
当館で9月13日(日)に開催するイベントでは、その研究の一部を知ることができる展示も公開予定です。
宇宙で健康に過ごすため栄養バランスを維持することのほか、美味しくバラエティ豊かな食事をとることによる精神的ストレスの低減や、気分をリフレッシュし、パフォーマンスの維持・向上を図ることを目的に作られ、進化している宇宙食。
皆さんもぜひ、当館で宇宙に触れて・見て・味わってみてくださいね!
事業課 くま
<参考>
・JAXA“「宇宙の日」とはどういう日ですか?”. ファン!ファン!JAXA!. https://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/313.html , (参照2026-9-2).
・“宇宙で食べる”. JAXA 有人宇宙技術部門. https://humans-in-space.jaxa.jp/life/food-in-space/ , (参照2026-9-2).
・JAXA. “宇宙食にはどのようなメニューがあるのですか?”. ファン!ファン!JAXA!. https://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/188.html , (参照2026-9-2).
・“宇宙食の歴史について教えて下さい”. JAXA 有人宇宙技術部門. https://humans-in-space.jaxa.jp/faq/detail/000521.html , (参照2026-9-2).
・“宇宙日本食”. JAXA 有人宇宙技術部門. https://humans-in-space.jaxa.jp/life/food-in-space/japanese-food/ , (参照2026-9-2).
・“チューブから60年、宇宙食の進化続く 将来の「地産地消」も模索”. 朝日新聞. 2023-9-21. https://www.asahi.com/articles/ASR9N62ZHR91ULBH009.html , (参照2026-9-2).
